最近の野菜は栄養が少ない? 渕上桂樹の『渕上ラジオ』(第9回)

パーソナリティ:渕上桂樹 農業コミュニケーター
はい、どうも皆さんこんにちは。農業コミュニケーターの渕上佳樹です。今日も皆さんからの質問にお答えしていきたいと思います。今日も渕上ラジオ最後までよろしくお願いします。
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今回はですね、いただいた質問はこちらです。
質問:SNSで最近の野菜は栄養が少ないというのを見たんだけど、これって本当?
という質問です。質問してくださった方、ありがとうございます。
えっと、このSNSのスクショが添付されていたんですけど、確かに「最近の野菜は栄養が少ない。昔の野菜は栄養があったのに」と書かれていて、「論文でも示されています」ともありました。そんなふうに言われると「本当なのかな」と思ってしまうんですけど、ここで私の結論というか感想をお話しますね。
昔と今の野菜はどっちが栄養があるか比較できない
私の感想としては、昔の野菜と今の野菜で栄養がどっちがあるかは、そもそも比較ができないんじゃないの?というものです。というのも、品種や季節によって野菜の栄養は大きく変わりますし、栄養といっても項目はいろいろあるので、単純に比較できるものではありません。
さらに、昔と今とでは栄養の測定方法や基準が全然違います。違う基準で測ったデータを比較すること自体が無理だと思います。ここで言う「昔の野菜」というのは1950年代のことのようですが、日本で言えばまだ闇市があった時代です。その時代と今の野菜の栄養を比べても、どんな意味があるの?という感じです。だから「昔の野菜に比べて今の野菜は栄養が少ない」とは、全然言えないと思います。
もちろん、論文を書こうと思えば、今の野菜の方が栄養が少ない部分だけを抜き出して書くこともできるでしょう。でも、そうやって作られた論文は果たして誠実なのかな、という気もします。なので、正直さ加減でも印象は変わってしまうんじゃないかと思います。
「栄養が少ない」がインチキ商品を売るために使われる
ただ、だからといって「最近の野菜は栄養が少ない」という話を、私が頭から「嘘だ、でたらめだ」と一蹴するつもりもありません。もし栄養が足りないと感じるなら、野菜をもう一品増やそうとか、今までより多めに食べようと思うのは、とてもいいことだと思います。「やめなさい」と言うつもりは全くありません。
しかし、今回の質問を送ってくださったSNSの内容を見ると「最近の野菜は栄養が少ない」から「野菜をたくさん食べましょう」という方向に行くのではなく、マルチ商法的な高額サプリメントや、効果がはっきりしないアロマ製品の購入へと誘導しているケースが多いのです。そういう方向にSNSでよく使われています。もし「野菜の栄養が少ない」という話が、そういったインチキ商品を売るために使われているとしたら、個人的には、それは良くないことだと私は思います。
野菜を多めに食べようという方向なら良い
ですから、「最近の野菜は栄養が少ない」という情報を見たときは、野菜を多めに食べようという方向なら良いですが、「このアロマを買えばいい」「このサプリを飲めば解決」という話には、ぜひ気をつけてください。結局のところ、どんなデータも使い方次第だと思います。
ということで、質問していただいた方、これでお答えになったでしょうか。
渕上ラジオでは皆さんからの質問を受け付けています。私のSNS『X』に渕上佳樹宛てに送っていただいてもいいですし、匿名質問サービス『mond』に送っていただいても構いません。お気軽に質問をお寄せください。
今日の渕上ラジオは以上です。また次回お会いしましょう。バイバイ!
イラストレーション:竹村おひたし