オーガニック給食ってどうなの? 渕上桂樹 の『渕上ラジオ』(第2回)

パーソナリティ:渕上桂樹 農業コミュニケーター
はい、どうもみなさんこんにちは。農業コミュニケーターの渕上圭樹です。
普段は農業をテーマにしたバーを経営しながら、農業をテーマにしたラジオ番組の番組パーソナリティをしております。どうぞ皆さんよろしくお願い致します。
この番組は、社会課題をサイエンス×エンタメのイシュラボの新番組『渕上ラジオ』ということでね。
皆様からの質問にお答えしたり、皆様とコミュニケーションしながら、やっていきたいと思いますので。どうぞよろしくお願いいたします。
オーガニック給食ってどうなの?『渕上ラジオ』(第2回)はこちらから聴けます
オーガニック給食運動って流行っているの?
はい、というわけでね。今回も質問にお答えしたいと思います。
今回はですね、最近よくある質問です。読みますね。
質問:「最近オーガニック給食運動というのが流行っているみたいなんですけれども、これってどうなんですか?」
という質問です。質問ありがとうございます。
オーガニック給食運動ね、ちょっと流行ってるみたいですね。全国的に給食をオーガニックにしようっていう風なものなんですけれども。
まあ、オーガニック自体は、いいと思います。オーガニックは、資材を循環させるとか、そういう意味もありますしね。環境負荷について考えるという、そういう意味ですごくいいと思います。
オーガニック給食運動は、全然良いと思わない!
なんですけど、全国で今ちょっとブームみたいになっている「オーガニック給食運動」。
それについてはね、私は全然良いとは思いません。全然良いと思わない理由をお話しますね。
お話しする前にね。なんで良いと思わないの?「オーガニックって良いんじゃない?」って、言われるかもしれないんですけど。
もう前提として言うんですけど、オーガニック自体は良いです。でもオーガニック給食運動、全国であるんですけれども、なんか変なブームみたいになってるんです。
オーガニック以外が安全でないは、ウソ
このオーガニック給食運動を全然良いと思わない理由は、最初から誤解に基づいて発信がスタートしてる部分があるからです。
誤解はどういうものかというと、オーガニックの方が安全です。そうじゃないものは安全じゃないよね。といった、そういう誤解です。
大前提なんですけれども、オーガニック自体はね、すごく良いんですけど、オーガニックの認証をとっていないものは、安全じゃない、危険だとか、そういったものでは全然ないです。
これは、農林水産省のサイトにもしっかり書いてあります。オーガニックが食の安全とか、そういう意味ではないですよ、ということです。
まあ、環境負荷とかね、まあ、そういう側面から見るならまだわかるんです。
けれども、あたかもオーガニックじゃない、今の給食が危険であるかのように言うのは、誤解ですし、本当に良くないことだと思います。
なぜなら、今の給食はたくさんの人が一生懸命頑張って食材を作って、加工して、そして子どもたちの元に届いているわけなんですよ。
本当に危険なら、オーガニック給食運動なんてそんな呑気なことしてる場合じゃなくて、もうすぐにでも改善しなければいけないものなんですよ。
なんですけれども、そういうわけではないです。今の給食も野菜も果物も、もともと安全ですし、そしてそれらが安全に届くように。給食関係者の人も一生懸命頑張ってやってくれています。
なので、えっとね、オーガニック給食運動みたいに。「今の給食って本当に安全なの?」みたいな感じで、もともと安全で誰も心配してないのに、わざわざ心配させるというのはよくないかなと思います。
残留農薬に関する、誤った情報
もう一つね、良くないことがあるんですけれども、オーガニック給食運動の活動家の皆さんの声を聞いていてよく出てくるのが、今の給食に使われている野菜の残留農薬が、発達障害の原因になっているとか、アレルギーの原因になっているとか、医療に関する誤った情報が出回っていることです。これが一番良くないかなというふうに思います。
アレルギーも発達障害も、専門家のちゃんとした診断を受けて言っているならわかるんですけれども、不安をわざわざ煽るという意味でよくないと思うんですよ。
特に、発達障害っていうのは何かを食べてどうなるっていう話ではないので、残留農薬のせいで発達障害になっているんじゃないかという話は、子供たちの間で新しい偏見につながる恐れがあるので、やめた方が良いと思うんですね。
あとは、税金の使い方ってよくいう側面もあります。給食無償化とかいうのもあったりするんですけども、学校給食って結構税金が使われているわけなんです。
オーガニック給食と税金のこと
税金って、皆さんから預かっている大切なお金じゃないですか。
それを効果がわからないけど、これを食べたら健康になるんだっていうような使い方をするのは、もともとの税金の使い方としては良くないという、そういう意味もあるんですね。
そういった沢山の理由から、安心安全のためにあの給食をオーガニックにしようという運動が良いとは全然思わないんですね。
もちろんね。給食にオーガニックの食材を使うこと自体がダメっていうわけでは全然ないと思うんです。
現在の給食を否定するのは、間違い
オーガニックの食材が給食に入ってくること自体は、全然良いと思います。良いと思うんですけど、不安をわざわざ作ったり、そういうことはしない方が良いなというふうには思いますね。農家の人も、給食関係者も、みんな一生懸命作っているわけですから。
子どもたちの学校給食というのは教育の場でもあるので、間違った情報と一緒に食材が入ってくるということがないように願いたいと思います。
ということでね。質問の答え、これでよろしいでしょうか。質問ありがとうございます。
はい、番組ではですね、引き続き皆様からの質問を受け付けておりますので、どうぞサイトの方に送って頂ければと思います。
または私、渕上圭樹のSNS(X)や質問箱でも受け付けております。
はい、というわけでね、今日も最後までお付き合いただきありがとうございました。それでは皆さん、またお会いしましょう。バイバイ~!
イラストレーション:竹村おひたし