2025.7.25

野菜って洗ったほうがいいの? 渕上桂樹 の『渕上ラジオ』(第6回)  

渕上桂樹

農業コミュニケーター

野菜 食中毒 農薬

パーソナリティ:渕上桂樹 農業コミュニケーター  

はい、どうも皆さん、こんにちは。農業コミュニケーターの渕上桂樹です。
今日も皆さんからの質問にお答えしたいと思います。

野菜って洗ったほうがいいの?『渕上ラジオ』(第6回)はこちらから聴けます 


早速ですが、今日の質問ですね。

質問:「野菜って洗ったほうがいいの?」

という質問です。ありがとうございます。

なぜ洗ったほうが良いの?

まあ、野菜って洗う人の方が多いんじゃないかなと思います。すごく丁寧に洗う人もいるでしょうし、さっと洗う人もいるかもしれません。この質問は、特に誰かからというわけじゃないんですけど、私が野菜をスーパーで売ってた時とか、イベント会場なんかで直販してた時、対面販売してた時に、よく聞かれた質問です。

これ、何についてよく聞かれたかというと、レタスとかイチゴですね。さつまいもについてはあまり聞かれませんでした。多分、皆さんさつまいもはちゃんと洗ってるんだと思います。

で、質問の答え、結論から言うと「洗ったほうがいい」と思います。どうしても洗えないっていう場合、例えば外でイチゴ食べたいよ、っていうのは全然アリだと思うんですけど、「洗うかどうか」で言ったら、洗ったほうがいいです。

洗ったほうがいい理由は、ほこりとか土とか、細菌類を流すためです。野菜の洗浄って、実はとっても大事なんですよ。というのも、食品加工の工場とかでは、洗う前の野菜と洗った後の野菜が一緒にならないように、最初からそういう設計になってるくらいなんです。だから、洗うのって実はすごく大事なんです。

農薬を流すために洗うべきか?

で、この質問をされるときに、農薬を流すためにっていう理由で聞かれることも多いんですけど、農薬を流すっていう理由は、まああるにはあるんですが、あまり大きな理由ではないんです。

というのも、食品加工の現場とか食品安全委員会なんかでも、食品の洗浄について話す時に「農薬を流さなきゃいけない」って話はあまり出てこないからです。もちろん、そういう話が出てくる場面もあるかもしれませんけど、主な理由としては、食中毒を防ぐためとか、異物混入を防ぐことに比べると、重要度はだいぶ下がります。

野菜が食中毒の原因となることもある

「野菜で食中毒?」って思う方もいるかもしれませんけど、これが結構深刻です。国内で最大規模の食中毒事故って、浅漬けによるものだったんです。北海道で起きたんですけど、被害に遭った人の数が多かった食中毒で、原因は野菜によるものなんです。

海外でもそうで、ヨーロッパであった食中毒事故は、スプラウトが原因でした。しかも、無農薬で作られたものでした。どちらも大腸菌による食中毒事故だったので、「洗う」っていうのはすごく大事なことなんです。

野菜を洗うことで防げること

ここまでお話しして、ご理解いただけたかと思うんですけど、洗うのが大事なのは、食中毒や異物混入を防ぐためであって、「農薬を落とすために洗わなきゃ」というのとは少し違うんですね。

農薬を落とすっていう理由は、優先順位としてはかなり下の方です。だから逆に言うと、無農薬だから洗わなくていい、っていう話でもないです。さっき言ったみたいに、無農薬で作ったスプラウトによる食中毒事故が、世界で記録されている中で最大規模の食中毒事故だった、ということなんですね。

なので、質問の答えは「野菜を洗ったほうがいいの?」って聞かれたら、「洗ったほうがいいです」。洗うのは大事です。でもそれは、食中毒や異物混入を防ぐためです。農薬を防ぐためっていうよりは、その2つを防ぐという意味の方が大きいです。という答えになります。

よろしいでしょうか?ありがとうございます。渕上ラジオでは、皆様からの質問にお答えしています。私・渕上桂樹のSNS宛て、もしくは匿名で質問を送れるサービス「モンド」宛てに送っていただければと思います。

というわけで、今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。それではまた別の機会にお会いしましょう!バイバイ!

【ラジオの内容訂正について】
・北海道で起きたんですけど、「被害に遭った人の数が一番多かった」は「被害に遭った人の数が多かった」が正しい表現です。
・無農薬で作ったスプラウトによる食中毒事故が、世界で記録されている中で「最大」としていますが「最大規模」が正しい表現です。

以上、ラジオのなかの内容に誤りがありましたことをお詫び申し上げます。記事中では上記のように、正しい表現に修正しております。

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